〜認知症による資産凍結の回避と、円滑な財産管理・承継のために〜
近年、高齢者の認知症発症に伴う「資産凍結」が大きな社会課題となっています。特に不動産においては、所有者の判断能力が低下すると、売却、修繕、賃貸借契約などの一切の法律行為が困難になります。 本稿では、親御様が居住されているご実家などの不動産を対象に、将来の管理・処分を円滑に行うための「家族信託」の手続きと留意点について解説いたします。
〜認知症による資産凍結の回避と、円滑な財産管理・承継のために〜
近年、高齢者の認知症発症に伴う「資産凍結」が大きな社会課題となっています。特に不動産においては、所有者の判断能力が低下すると、売却、修繕、賃貸借契約などの一切の法律行為が困難になります。 本稿では、親御様が居住されているご実家などの不動産を対象に、将来の管理・処分を円滑に行うための「家族信託」の手続きと留意点について解説いたします。


不動産売却は、人生における大きな決断の一つです。
確実に売却を進めるためには、手続きの流れを把握しておくことが重要です。
不動産取引についての流れをご紹介します。
家族信託とは、信頼できるご家族(受託者)に不動産の名義を移転し、あらかじめ定めた目的に従って、本人のために財産の管理・処分を託す仕組みです。
・資産凍結の回避: 万が一、元の所有者(親御様など)の判断能力が低下した後でも、受託者(お子様など)の権限で実家の売却や大規模修繕が可能となります。
・居住権の確保: 名義を移転しても、元の所有者が「受益者(利益を受け取る人)」として引き続きその家に住み続ける権利は法的に保障されます。
契約書を作成する際、以下の2点を留意して作成する必要があります。
①居住用財産の3,000万円特別控除の適用
将来、施設入所等の理由で実家を売却する際、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる特例を適用させるためには、信託契約書の文言が重要です。
要件: 契約書内に「受益者が居住の用に供する」旨を明記し、実質的な所有権(利益)が元の所有者に帰属していることを明確にします。これにより、信託後も税制上の特例を維持することが可能となります。
②維持管理費(固定資産税・修繕費)の信託
不動産のみを信託対象とした場合、受託者が管理費用を自己資金で立て替えなければならないリスクが生じます。
対策: 不動産と併せて、数年分の「固定資産税」や「修繕費用」に相当する金銭を信託財産に組み入れます。これにより、受託者は専用の信託口座から適切に管理コストを支払うことが可能となります。※実家だけを託すと、固定資産税を払う時に困ります。「固定資産税の5〜10年分」くらいの現金も一緒に託すのが、スマートな家族信託のコツです
・コンサルティングおよび設計(約2〜4週間) ご本人およびご家族の意向を反映した信託契約案を作成します。ここでは、将来の帰属先(最終的に誰に財産を相続させるか)についても決定します。
・公正証書の作成(約1〜2週間) 公証役場において、公証人による意思確認のもと「信託契約公正証書」を作成します。これは金融機関での口座開設や、将来の不動産取引における真正性の証明となります。
・信託口座の開設および信託登記(約2週間) 金融機関にて管理専用口座を開設するとともに、法務局にて不動産の名義を「受託者」に変更する登記手続きを行います。
※法務局で不動産の名義を「受託者(お子様)」に変更し、銀行で「信託口口座」を作ります。
■諸経費の目役(評価額が3,000万円程度の不動産を想定)
専門家報酬(設計・書類作成): 30万円〜(財産価格の約1%が目安)
登録免許税(国税): 土地は評価額の0.3%、建物は0.4%
公証役場手数料: 数万円程度
予想:合計60~80万円程度
家族信託には、法務・税務・不動産実務の高度な知識が求められます。
・司法書士: 登記手続きおよび契約書作成の専門家であり、法務面での窓口として最適です。
・不動産会社(株式会社佐野): 実際の不動産価値の査定、将来の売却タイミングの見極め、適切なメンテナンス(修繕)の視点から、現実的な運用コンサルティングを行います。
物件の査定・ご不明なことなどお気軽にご相談下さい。
家族信託で不動産を信託した場合、法務局で手続きを行うと、不動産の「登記事項証明書(登記簿謄本)」の記載が変更されます。
信託登記を行った際の登記簿は、大きく分けて「権利部(甲区)」と、信託の詳しい内容が書かれた「信託目録」の2つの部分から構成されます。
1.登記の目的 信託
受付年月日・受付番号 令和〇年〇月〇日第〇〇号
原因 令和〇年〇月〇日信託
権利者その他の事項 信託目録 第〇〇号
2.信託目録(しんたくもくろく)
登記簿の末尾に、信託契約書の重要なルールを抜粋した「信託目録」が綴じられます。誰が誰のために管理しているのか、どのような権限があるのかが公に示されます。
項目 記載内容
委託者 (母の住所)甲野 母子
受託者 (子の住所)乙野 子太郎
受益者 (母の住所)甲野 母子
信託の目的
委託者兼受益者の生活、介護及び療養等に必要な資金を確保し、安定した生活を支援するとともに、本件信託財産の適正な管理及び処分を行うこと。
信託財産の管理方法
受託者は、信託の目的を達成するために、本件信託財産の保存、利用、改良、処分(売却、賃貸、建物の取壊し等)を行う権限を有する。
信託の終了事由 1. 受益者の死亡 2. 信託財産の滅失または消滅
その他の信託条項 【帰属権利者】(※信託終了後に財産を受け取る人)(子の住所)乙野 子太郎
物件の査定・ご不明なことなどお気軽にご相談下さい。
さまざまな業種のお客様からご好評のメッセージをいただいております。
Googleからの口コミを一部紹介します。
不動産売却は、人生で1度あるかないかの大きな出来事です。
不安なことなどお気軽にご質問下さい。安心して決断できるように、私でお役に立てることがありましたらご協力します。
結論から申し上げますと、法律上は自分たちで作った紙の契約書でも有効なのですが、実務上は「公証役場での公正証書の作成」がほぼ必須(強く推奨)となります。
その理由は以下の3点です。
① 銀行で「信託口座」を作るため 実家の修繕費などを管理する信託専用口座(信託口口座)を作る際、ほぼすべての銀行が「公証役場で作った公正証書」の提出を必須条件としています。これがないと口座を作らせてくれません。
② 将来、実家を売却する時の信用のため 将来、不動産会社を通じて実家を売る際、買主や不動産会社から「この契約書は本当に有効なものか?」と厳しくチェックされます。国の機関である公証人が作成した「公正証書」であれば、誰もが安心して取引してくれます。
③ 「意思能力」を公的に証明するため(トラブル防止) 公証役場では、元裁判官などの法律のプロである「公証人」が、お母様ご本人に「本当にこの内容で任せていいですね?」と意思確認をします。これにより、後になって他のご親族から「お母さんは認知症気味だったのに、無理やり契約させられたんじゃないか!」と疑われるのを防ぐ強力な証拠になります。
・贈与税:かかりません。
通常、売買や贈与で不動産を手に入れると都道府県から請求が来る税金ですが、家族信託(委託者=お母様、受託者=お子様の場合)では非課税です。
・相続税:かかりません。
(信託が終了して不動産が正式にお子様の所有物になった時点で、他の遺産と合算して相続税の対象となります。)
登録免許税は、法務局で名義変更(信託登記)をする際に納める税金です。
土地:固定資産税評価額 × 0.3%(※2026年3月31日までの軽減税率)
建物:固定資産税評価額 × 0.4%
となっています。
例)土地評価額 2,000万円×0.3%=6万円
建物評価額 1,000万円×0.4%=4万円 合計10万円
家族信託において、財産を管理する「受託者(お子様など)」が、受益者(お母様)よりも先に亡くなってしまうリスクは、契約時に必ず想定しておくべき重要なポイントです。
結論から申し上げますと、受託者が死亡しても信託契約がすぐに終わるわけではなく、預かっていた財産(実家やお金)がお母様のものであることは守られます。
受託者が死亡すると、お母様の財産は「管理する人が一時的に不在」の状態になります。この事態への対応は、契約書の内容によって大きく2つに分かれます。
① 【基本の対策】あらかじめ「第二受託者」を決めておく
家族信託を設計する際、受託者に万が一のことがあった場合に備えて、「第二受託者(後継受託者)」をあらかじめ契約書で指定しておくのが最も安全で一般的な方法です。
例: 「長男が死亡した場合は、次男(または長女、信頼できる親族など)が後継の受託者となる」と定めておきます。
効果: 長男が亡くなった時点で、自動的に次男に管理権限が移ります。簡単な登記の変更と銀行手続きだけで、お母様のための財産管理や、実家の売却権限などをスムーズに引き継ぐことができます。
② もし「第二受託者」を決めていなかったら?
契約書に次の管理者の記載がない場合、お母様(受益者)やその他の親族が話し合いで新しい受託者を決めるか、家庭裁判所に申し立てて「新受託者」を選任してもらうことになります。 しかし、この手続きには時間と手間がかかり、その間は不動産の売却や信託口座からの引き出しができなくなってしまいます。
※【要注意】管理者が「1年間不在」だと信託は強制終了します
信託法という法律のルールで、「受託者がいない状態が1年間続くと、家族信託は強制的に終了する」と定められています。強制終了してしまうと、財産はお母様個人の名義に戻り、せっかく回避したはずの「お母様の認知症による資産凍結リスク」が復活してしまうことになります。そのため、やはり事前の対策(第二受託者の指定)が非常に重要です。
本当に質の良い不動産取引を提案し
過程、結果の可視化に努め
売主、買主が笑顔になる満足感を提供します。
2024年4月設立の当社は、まだ始まったばかりの会社です。不動産取引の慣習は大切にしながらも固定概念にとらわれず、お客様の立場に立って「こうした方がスムーズに進む」「理解しやすい」など、お互いの合意事項であれば柔軟に対応いたします。
不動産業界で過ごした20年間は、お客様に育てていただいたと言っても過言ではありません。全ては取引を通じて知識、経験値、接客、そして心構えを身につけることができました。
ライフステージの変化による住み替え、住宅ローンの支払い苦による任意売却、離婚による売却、相続による処分、孤独死による売却、紛争による資産売却、認知症による成年後見制度を利用した売却、外国籍の方による売却など、様々なケースを経験してきました。
また、私自身の不動産売買や離婚、10年間の父子家庭生活、そして再婚によるステップファミリーの経験も、同じ悩みを抱える方々に寄り添える力になると信じています。
不動産売却において、私たちは選ばれる立場にあります。売主様は「早く、高く、良い人に買ってもらいたい」と願って依頼されます。
では、何を基準に依頼先を選べば良いのでしょうか。「大手の看板」でしょうか、それとも「一括査定で一番高額な査定額を提示した会社」でしょうか。大切なのは、あなたの不動産を責任を持って売ってくれる「人」です。私の中で一番大切なことは、嘘をつかないこと、知ったふりをしないこと、そして無責任な話をしないことです。これらが不動産取引におけるトラブルの要因となるからです。
営業マン時代から、私は売主様にも買主様にも、一人のお客様とじっくり話す時間を大切にしてきました。時間をかけて様々な情報を共有したいと考えています。思うようにいかない期間、悩ましい時間こそ積極的に共有すべきだと考えます。
知り合いからは「佐野さんは熱狂的なマニアファンがいる」と言われます。これは私にとって最高の褒め言葉です。
私の得意分野は、通常の売却や賃貸はさることながら難解な権利関係、成年後見や任意売却等です。
法務や税務の専門家と供に考えながら仕事を進めて行くことが好きです。
また私は、不動産そのものや建築物に加え、売主様が取得された歴史的背景、そこでの生活、そして人生そのものに興味があります。
このような会社ではございますが、ご縁を大切にしながら仕事を進めております。売主様の利益に貢献できるよう精進して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。
| 会社名 | 株式会社 佐野 |
|---|---|
| 住所 | 〒650-0042 兵庫県神戸市中央区波止場町6-8 |
| 定休日 | 水曜日 |
| TEL | 078-977-7015 |
| FAX | 078-977-7016 |
| 代表取締役 | 佐野 雄司(さの ゆうじ) |
| 許認可 |
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