売主にとっては、売買契約は待ちに待った嬉しい瞬間です。しかし契約書上では、売主・買主によるさまざまなパターンの解除条件が設けられています。
本章では「実際にあった契約解除」「契約解除にならないために」「土地取引での停止条件文言」
「一般的な解除条項についての」を解説します。契約が確信的なゴールでないことを一つの知識として共有します。
売買契約後の「解除」について

実際にあった「契約解除」について
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ローン特約による解除
買主が住宅ローンを利用して物件購入する場合、融資が否認された場合は無償解除となる。
実例1
社員50人規模の会社を親が経営。息子さんが一人暮らし用のマンション購入検討で住宅ローン審査で否決。事前審査で問題なし。本審査で時期故後継者候補として会社決算書の提示を求められ銀行評価が得られず融資が否認された。
実例2
不動産営業初期のころ、事前審査なしで売買契約締結。買主からの聞き取りでは借入、過去の滞納なし。事前審査で個人信用調査の不良とだけ言われて否決。無償解除となる。 -
手付解除
売主、買主、お互いに何だかの理由で契約を解除する場合、買主は手付放棄。売主は手付倍返しで契約を解除することが出来る。
実例1
契約後、引渡しまでに買主の転勤が決定。悩み悩んだ末に手付放棄で契約解除となった。
実例2
契約後、買主の実家が火事に遭遇。残念ながら死亡事故となり買主は、手付放棄で契約解除となった。
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違約解除
売主、買主互いに違約行為があった場合、契約書に定められた違約金を支払った上で契約を解除できる。
実例
個人・業者間の土地取引において約定義務違反、重大な虚偽行為において受取の手付金+物件価格の10%相当額で違約解除。

私がお手伝いできること
本当に質の良い不動産取引を提案し、
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売主、買主が笑顔になる満足感を提供します。
代表取締役 佐野 雄司sano yuji
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契約解除にならないために
売却物件の調査及び売主様へのヒアリング、調査漏れ、告知漏れの再確認。
・心理的瑕疵の有無(物件・近隣)
・境界、越境の有無
・前面道路私道、掘削
・売却理由、近隣トラブル
・隣地の建築計画
・故障・修理箇所の有無
・雨漏り、シロアリ等
・災害履歴等 -
買主様のローン事前審査後の契約締結
買主様が融資を受けて不動産を購入する場合、金融機関での個人信用調査付の事前審査を行い承認を得てから売買契約を行います。
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本人確認・反社チェック
非情に難しくなってきていますが、本人確認資料の確認。インターネット、全日媒体での反社会的人物照会。
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停止条件を早期解決
特約が付加される契約は珍しくありません。
【特約記載例】
〇月〇日までに〇〇〇が出来なければ、買主は本契約を無条件で解除することができます。本契約が解除された場合、売主は買主に対し、すみやかに受領済の金員を無利息に返還します。なお、売主は買主に対し、損害賠償責任を負いません。
例)前面道路の掘削同意
例)隣地との越境覚書
例)買替特約
例)農地転用や行政の許可等 -
余裕を持ったスケジュールで契約したい案件
・売主解体更地渡し・滅失登記売主の場合。
・行政の開発許可が必要な場合。
・買替特約なし、購入先行で取引が連動し第三者が流動的になる場合。
・債務整理、任意売却で債権者の同意が必要な場合。
・成年後見など裁判所の同意が必要な場合。
物件の査定・ご不明なことなどお気軽にご相談下さい。

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【実例】土地取引での停止条件文言
■ご依頼から販売開始まで約3か月(役所等調査、回答待ち期間)
■契約から引き渡しまで約7か月(停止条件の解消期間)(7)私道部分の掘削同意及び手続きで目的を達成できない場合による解除
売主は、自己の責任と負担において私道部分所有者に対して掘削同意を取得するものとする。尚、戸籍の第三者請求による所有者への通知および本籍地裁判所での公示を行い目的を達成できる場合はその限りではない。
なお、決済日1カ月前に取得が間に合わないと判断された場合には、買主に説明する機会を設け協議を行い、引渡し期日を延長できるものとする。尚、引渡しの再延長期間は最長2カ月としそれ以上の延長は行わないものとする。
(8)北側隣接地共有ブロック塀切下げの承諾が取得できない場合による解除
売主は、本物件と北側隣接地(地番〇番〇)との境界線上に存するブロック塀(共有)について、北側隣接地所有者から本物件建物の解体時に塀高を建築基準法に適合する高さ(地盤面から1.2m以下)まで切り下げることへの承諾を書面で取得し、本物件引渡し時に買主へ引渡すものとします。ただし、売主が本物件引渡し日までに前項書面を取得できない場合、買主は本契約を無条件で解除することができます。本契約が解除された場合、売主は買主に対し、すみやかに受領済の金員を無利息に返還します。なお、売主は買主に対し、損害賠償責任を負いません。
一般的な解除条項について解説
■手付解除
- 売主、買主は、売買契約を上記手付解除期日までであれば、その相手方の履行着手の有無にかかわらず、互いに書面により通知して、解除することができます。
- 売主が前項により売買契約を解除するときは、売主は、買主に対し、手付金等受領済みの金員および手付金と同額の金員を現実に提供しなければなりません。買主が前項により売買契約を解除するときは、買主は、売主に対し、支払い済みの手付金の返還請求を放棄します。
解説
契約書には手付解除期日が設定されていて、売主・買主お互いが、その日までであれば書面で通知して手付倍返し、手付放棄で契約を解除できます。その場合、個人的な理由で契約を解除することから仲介手数料が発生します。
※その為、手付解除に対応できるように、最低でも仲介手数料分以上の手付金を提案しています。
■引渡し完了前の滅失・損傷による解除
- 売主、買主は、対象不動産の引渡し完了前に天災地変、その他売主、買主いずれの責めにも帰すことのできない事由により、対象不動産が滅失または損傷して、修補が不能、または修補に過大な費用を要し、売買契約の履行が不可能となったとき、互いに書面により通知して、売買契約を解除することができます。また、買主は、売買契約が解除されるまでの間、売買代金の支払いを拒むことができます。
- 対象不動産の引渡し完了前に、前項の事由によって対象不動産が損傷した場合であっても、修補することにより売買契約の履行が可能であるときは、売主は、対象不動産を修補して買主に引渡します。
- 第1項の規定により売買契約が解除されたとき、売主は、買主に対し、受領済みの金員を無利息にてすみやかに返還します。
解説
契約後、地震・津波・洪水・土砂災害などで売買契約をした不動産が使用目的を達成できない状況になった時は無償解除となります。引渡しまでに修復が可能な場合は売主が修復して引き渡します。契約解除の場合は、売主は手付金を買主に返還します。
※仲介手数料は発生いたしません。
■融資利用の特約による解除
- 買主は、売買代金に関して、後記「Ⅱ.6.金銭の貸借のあっせん」記載の融資を利用する場合、同欄記載の融資承認取得期日までに、融資の全部または一部の金額につき承認が得られないとき、または否認されたとき、買主は、売主に対し、上記契約解除期日までであれば、売買契約を解除することができます。
- 前項により売買契約が解除されたとき、売主は、買主に対し、受領済みの金員を無利息にてすみやかに返還します。
- 買主が融資の申込手続きを行わず、または故意に融資の承認を妨げた場合は、第1項の規定による解除はできません。
解説
買主の融資全額若しくは一部金が通らない場合、指定期日までであれば契約は無償解除となります。
その場合、売主は手付金を買主に返還しなければなりません。尚、買主が融資申し込みをしなかったなどの理由では、契約解除はできません。違約解除となります。その場合は所定の違約金が発生します。違約金の額は、売買代金の10%若しくは20%に設定されています。
※融資特約による解除では、仲介手数料は発生いたしません。
■契約不適合による修補請求・解除
- 売主は、買主に対し、引渡された(不動産)に関して契約の内容に適合しないもの(以下「契約不適合」といいます。)であるときは、引渡完了日から3ヶ月以内に通知を受けたものにかぎり、契約不適合責任を負います。
- 売主が、買主に対し負う前項の契約不適合責任の内容は、修補にかぎるものとし、買主は、売主に対し、前項の契約不適合について、修補の請求以外に、売買契約の無効、解除、売買代金の減額請求または損害賠償の請求をすることはできません。ただし、前項の契約不適合により売買契約を締結した目的が達せられないときは、買主は、売主に対し、売買契約を解除することができます。
- 売主は、買主に対し、売買契約締結時に第1項の契約不適合を知らなくても、本規定の責任を負いますが、買主が売買契約締結時に第1項の契約不適合を知っていたときは、売主は本規定の責任を負いません。
解説
引渡しされた後3カ月間の間に、売主から不告知な事実。地中埋設物、雨漏り、シロアリ、給排水管の故障、主要躯体部分の腐食等が発生した場合には、修理の請求ができます。しかし、契約の解除・無効・減額して下さい。などは言えません。 ただ、それによって住めない。貸せない。など購入した目的を達成できない場合には契約を解除することが出来ます。
可能性としては少ないですが、その事実を買主は知っていて売主は知らなかったとなると売主に責任を負わない。
※仲介手数料は発生いたします。
■修補の遅滞を含む契約違反による解除
売主、買主は、その相手方が売買契約にかかる債務の履行を遅滞したとき、その相手方に対し、相当の期間を定めて債務の履行を催告したうえで、その期間内に履行がないときは、売買契約を解除することができます。なお、前記(4)の契約不適合による修補請求に対して売主が修補を遅滞した場合を含めます。
解説
契約して引渡しの期限が来ているのに引渡さない。準備しているのに対価を支払わない。など期日を定めて再三催告しているのに実行されない場合、契約違反として解除することが出来ます。
また、契約内容と違う契約不適合に対して期間内に修理しないなども同じです。
※違約金が発生します。※仲介手数料は発生いたします。
■反社会的勢力の排除に関する特約に基づく解除
- 売主、買主は、その相手方に対し、次の各号の事項を確約します。
(1) 自らが、暴力団、暴力団関係企業、総会屋もしくはこれらに準ずる者またはその構成員(以下総称して「反社会的勢力」といいます。)ではないこと。
(2) 自らの役員(業務を執行する社員、取締役、執行役またはこれらに準ずる者をいいます。)が反社会的勢力ではないこと。
(3) 反社会的勢力に自己の名義を利用させ、売買契約を締結するものでないこと。
(4) 本物件の引渡しおよび売買代金の全額の支払いのいずれもが終了するまでの間に、自らまたは第三者を利用して、売買契約に関して次の行為をしないこと。
ア 相手方に対する脅迫的な言動または暴力を用いる行為
イ 偽計または威力を用いて相手方の業務を妨害し、または信用を毀損する行為 - 売主、買主の一方について、次のいずれかに該当した場合には、その相手方は、何らの催告を要せずして、売買契約を解除することができるものとします。
ア 前項(1)または(2)の確約に反する申告をしたことが判明した場合
イ 前項(3)の確約に反し契約をしたことが判明した場合
ウ 前項(4)の確約に反した行為をした場合 - 買主は、売主に対し、自らまたは第三者をして対象不動産を反社会的勢力の事務所その他の活動の拠点に供しないことを確約します。
- 売主は、買主が前項に反した行為をした場合には、何らの催告を要せずして売買契約を解除することができます。
- 第2項または前項の規定により売買契約が解除された場合には、解除された者は、その相手方に対し、違約金(損害賠償額の予定)として売買代金の20%相当額を支払うものとします。
- 第2項または第4項の規定により売買契約が解除された場合には、解除された者は、解除により生じる損害について、その相手方に対し一切の請求を行うことはできません。
- 第2項または第4項の規定により売買契約が解除された場合の解除および違約金については、第2項、第4項、第5項および前項の規定によるものとし、前記「Ⅱ.2.(5)修補の遅滞を含む契約違反による解除」、および後記「Ⅱ.3.損害賠償額の予定または違約金に関する事項」は適用しません。
- 買主が第3項の規定に違反し、対象不動産を反社会的勢力の事務所その他の活動の拠点に供したと認められる場合において、売主が第4項の規定によりこの契約を解除するときは、買主は、売主に対し、第5項の違約金に加え、売買代金の80%相当額の違約罰を制裁金として支払うものとします。
解説
暴力団関係の取引またそれに準ずる者への取引について、最大で違約金に加えて売買代金の80%相当額の制裁金を売主に支払わなければならない。
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2025年11月23日 文章作成 佐野雄司
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