土地の地下には、目に見えないリスクが潜んでいることがあります。これらのリスクが、売却価格や取引の成否、さらには売却後のトラブルに影響を与える可能性があるため、事前の確認が非常に重要です。
「リスクの種類」「契約不適合責任とは」「実例」を基に解説します。
埋設物リスクと契約不適合責任

解決のポイント
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隠れた地中埋設物:予期せぬ撤去費用
過去に建物が建っていた土地、特に1995年の阪神・淡路大震災のような大規模な震災で多くの建物が解体された神戸、芦屋、西宮といった地域では、地中に以前の建物の基礎やコンクリートガラなどの建築廃材が残っているケースがあります。現在駐車場として利用されている土地でも、地中の状況は見た目だけでは判断できないため注意が必要です。
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【事例:旧基礎の発見】
西宮市の市街地にある駐車場として売却された土地で、買主様が新築のために掘削工事を行った際、地中から古い基礎(または旧建物の基礎)が発見されました。売主様は土地を相続で取得しており、その基礎の存在を全く知りませんでした。しかし、売買契約における契約不適合責任に基づき、売主様がその撤去費用を負担することになりました。
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【事例:解体後の浄化槽発見】
神戸市内、西宮市内での建物付き土地の取引において、解体工事中に浄化槽が発見されるケースに何度か出くわしました。 売主様が浄化槽の存在を認識していなくても、買主様側から契約不適合責任を問われ、売主様の負担で撤去することになるのが一般的です。 撤去費用は、居住用の浄化槽でおおよそ30万円〜40万円程度かかることが多いです。相続などで取得した土地や、長年住んでいない土地の場合、浄化槽の有無やその状態を把握していないケースがあるため、売却を検討する際は、地中埋設物としてその撤去費用も考慮に入れておきましょう。
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【事例:図面にない隣地配管の発見】
以前の取引で、水道局の図面上には記載がなかったにもかかわらず、買主様が土地を掘削したところ、敷地内に隣地の給排水管が引き込まれていることが判明しました。これは売主様も隣地の所有者も全く知らない事実でした。この場合、買主様からすれば、契約内容と現況が異なる「契約不適合責任」にあたります。

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代表取締役 佐野 雄司sano yuji
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個人間売買における契約不適合責任とは
個人間で土地の売買契約を結ぶ際、「契約不適合責任」の期間は、宅地建物取引業者が売主となる場合とは異なり、引渡日から3か月と定められています。
買主様が購入した土地に建つ古家を解体し、新たに建物を建築する計画の場合、上記のような地中埋設物の存在は非常に重要な問題となります。予期せぬ旧基礎やガラ、浄化槽などが発見されると、買主様は追加の撤去費用や工期の遅延といった不利益を被る可能性があります。この場合、売主様が契約不適合責任を問われ、撤去費用を負担するリスクが生じます。 -
契約不適合責任免責の取引とは
売買契約時に買主様との合意が得られれば、「契約不適合責任免責」の特約を設けることも可能です。この特約を付すことで、売主様は引渡し後の契約不適合に対して原則として責任を負わなくなります。
一般的には、価格交渉の際に受け入れる代わりに「契約不適合責任免責」とすることで、売却後の不確定なリスクを回避する方法として用いられることが多くなっています。 -
見えないライフラインの引き込み状況
土地の売買において、ライフライン(給排水管、ガス管など)の引き込み状況は非常に重要です。自己の土地の配管が隣地を経由している、あるいは隣地の配管が自己の土地を経由しているといった、他者の敷地利用が関係するケースが判明している場合は、事前に覚書などを交わし、権利関係を明確にしておく必要があります。
しかし、注意すべきは、水道局などの公的機関の図面で確認しても問題がないとされていたにもかかわらず、掘削作業中に予期せぬ他者の配管が敷地内から発見されるケースです。
この場合は、売主の契約不適合責任が問われます。
※特に、一筆の土地を専用通路のような形状で分筆した土地(通称:専通)や、その周辺の土地の取引は慎重に行う必要があります。
物件の査定・ご不明なことなどお気軽にご相談下さい。
対応・提案事例
神戸市須磨区の土地 成約事例
1. 事前調査で見えた「隠れた問題」(ライフラインの共有)
この土地は閑静な住宅街にあり、一見すると問題のない物件でした。しかし、詳細な調査によって、再建築時に大きな負担となる問題が判明しました。
課題
ライフラインの引き込みが隣地と共有されており、引き直しが必須でした。道路の本管が対側(最も遠い側)にあったため、引き直しにかかる費用は200万円以上と高額になりました。
対応
再建築時に高額な費用がかかる物件は、通常の相場よりも評価が低くなるため、この事実を隠さずに、売主様と協議の上、価格設定に反映しました。
この問題を全て理解してくださる買主様が早期に現れ、情報を完全に開示した上で契約に至ったのは、誠実な対応が信頼に繋がった「幸運」と言えます。
2. 解体工事で判明した「予期せぬ事実」(地中の環境)
契約後の解体工事で、さらに二つの予期せぬ地中環境が明らかになりました。(1) 地盤の良さ:浅い位置での岩盤層
解体業者が基礎を撤去するため1mほど掘削したところ、硬い塊に当たりました。当初は改良剤かと疑われましたが、分析の結果、なんと岩盤層であることが判明しました。
結果:地盤が非常に強固な「良い地盤」であると確認できました。
(2) 予期せぬ水:隣地からの湧水
以前から駐車場付近に水が滲み出ていましたが、重機が入ったことで水たまりが発生。調査の結果、ライフラインを共有していない方の隣地から流れてきている湧水であることが判明しました。隣地の方も全く知らなかったという、文字通り「地中の見えない部分」に潜んでいた問題でした。
3. この事例から得られる教訓
今回の取引は、不動産仲介業者の視点から、特に土地取引の難しさと徹底した調査の重要性を改めて示すものです。
土地の価値は、目に見える形状だけでなく、地中に潜むライフラインや地盤の状態によって大きく左右されます。
Q&A
Q&A 「売主の契約不適合責任の賠償責任ってどんなもの?」
・履行の追完請求: 埋設物の撤去など、契約内容に適合した状態にするよう求めることができます。
・代金減額請求: 追完が困難な場合、地中リスクの程度に応じて売買代金の減額を求めることができます。撤去費用相当額の減額が認められることが多いです。
・損害賠償請求: 埋設物撤去費用や、工事の遅延によって発生した損害など、契約不適合によって生じた損害の賠償を請求できます。
・契約解除: 地中リスクが重大で、土地の利用目的を全く達成できないような場合は、契約を解除して代金全額の返還を求めることができます。
※経験上、建物基礎、浄化槽などの地中埋設物等の売主への除去請求あり。
ライフライン配管図(上下水道・ガス)
ライフライン引込位置、引込管の調査は現地と図面で行います。
下記は、上下水道・ガスの図面です。実際に掘削を行って調査は出来ません。
※図面が全て正確なものとは限りません。その為、実際と異なる場合も考えられます。

●上水図面(神戸市提供)
●下水図面(神戸市提供)

●ガス図面(大阪ガス提供)
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2025年11月23日 文章作成 佐野雄司
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